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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
「そなたは真にそれで良いと申すのか? 俺は、ひと月前、秋月に絡まれていた町人の母子を助けたそなたを見た時、ひとめで惚れた。自分の身の危険も顧みず、無防備にも数人の大の男の立ち向かってゆくなぞ、並の女にはできることではない。ただ可愛い外見に惹かれただけでなく、心意気に惚れた。俺の相手にした女の中には美しい女は星の数ほどもいたが、そのような向こう見ずな女はいなかったからな。こんな娘もいるのかと、まさに眼から鱗が落ちた気がしたぞ」