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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
 泉水は手首を掴まれた痛みに顔をしかめた。
「は、放して」
 訴えてみても、泰雅は一向に手を放そうとはしない。
「そなたは俺が嫌いなのか? もう二度と顔も見たくないと申すのか?」
「いやっ」
 泰雅は、なおも顔を覗き込もうとする。泉水は力一杯、泰雅の身体を向こうへ突いた。
 泉水は後を振り返りもせず、その場から走り去った。
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