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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第25章 《巻の参―真(まこと)―》
―身体を売って生きるのは生半可なことじゃない。その中でやっと掴んだ幸せを自分の物にしたからって、誰にとやかく言われる道理はないさ。
先刻のおさんの言葉がありありと蘇る。
あの言葉には、含みがあった。おさんは、おはるの失跡については何も知らないと言い、あの女が満更嘘をついているようには思えなかった。が、長年、おはると同じような苛酷な環境を生き抜いてきた女の勘で、おさんはおおよその事情を見抜いているのだろう。