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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
涙が堰を切ったようにとめどなく溢れ、頬をつたい落ちる。信じられなかった。信じたくなかった。あの一途に恋い慕った優しい男が良人泰雅であったなんて。
これは、きっと何かの間違いで、自分は悪い夢を見ているだけなのだと思いたい。
やっとの想いで部屋までたどり着くと、時橋が案じ顔で出迎えた。
「姫さま、どうなさいました? 急にお姿が見えなくなってしまわれて、随分とお探し申し上げたのですよ」
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