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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第30章 《巻の弐―決別―》
泉水は蒼白になった。あまりの衝撃に涙どころか、声さえ出ない。恥ずかしさに居たたまれなかった。そんな泉水の顔を泰雅は暗い歓びを宿した眼で見つめている。こうして女の身体が自分に馴じんできている事実を殊更、女の前に突きつけようとしているのだ。
そして、女がそのことに身も世もない心地になって恥じ入る様を陶然と見ている。悪趣味といえば悪趣味極まりないものであり、泉水はこれまで泰雅にこんな一面があることを知らなかった。