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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第30章 《巻の弐―決別―》
 しかも、泉水の身体は彼女の気持ちや心とは相反して、男の愛撫に馴れつつある。泰雅は泉水がその苛酷な現実から眼を背けようとすればするほど、執拗に眼の前に突きつけてくるだろう。
 そして、泉水にそれを認めさせようとするに相違ない。いや、そうなる前に、泉水の体の方が当の彼女自身を裏切るのではないか。心では男を拒否しつつも、身体だけは男の手にすんなりと順応し、脚を開こうとするのではないか。それは考えるだに、怖ろしく忌まわしいことであった。
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