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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第31章 《巻の参―新しい生活―》
いつか自分が死んだときには、あのような場所へ魂は還ってゆくのだろうか―と、ふと思った。そのときの泉水の眼には、初めて眼にする小さな村外れの一風景があたかも死者が赴くという西方浄土に見えたのである。
篤次は泉水の話を聞いた上で、村長の家を訪ねることを勧めた。篤次に連れられ村長を訪ねた泉水は、その夜は面倒見の良い村長の家に泊めて貰い、翌日、再び篤次の案内で村の外れにあるという村長の持ち家に行った。