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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第32章 《巻の四―散(ちる)紅葉(もみじ)―》
 窓の向こう側に依然として男の貌がかいま見えることに気付き、慌てて露わな胸を両手で遮った。男のねっとりとした視線が泉水の身体中を這い回っている。
 泉水は悲鳴を上げ、急いで湯舟から出た。その拍子に、浴槽の湯が音を立てて外へ零れ落ちる。
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