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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第32章 《巻の四―散(ちる)紅葉(もみじ)―》
 泰雅の手が膚をまさぐる。乱暴に脚を押し広げられ、高々と持ち上げられる。深く刺し貫かれる瞬間、泉水の瞼に浮かんだのは、朴訥な男の笑顔と、男と一緒に見た色鮮やかな紅葉であった。
 固く閉じた泉水の眼裏で、真っ赤に色づいた葉がはらはらと散っていた。

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