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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第4章 《参の巻―囚われた蝶―》
「待ってくれ。逃げないでくれ」
 泰雅が手を伸ばす。打ち掛けの裾を翻そうとしたその時、裾を素早く掴まれた。
「頼むから、逃げないで欲しい」
 怯えて逃げようとする泉水に、泰雅があやすような口調で言い聞かせた。
「泉水の部屋に来る前、義父(ちち)上とも色々話してきた」
「―父とあなたが話を? 今更、何をお話しになったというのですか?」
 泉水は唇を噛みしめた。
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