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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第35章 《巻の弐―再会―》
 夢五郎は呟いた。
 泉水は訥々と語った。赤の他人である夢五郎にこれまでの経緯を話すのは、かなりの勇気と躊躇いを憶えたけれど、誰かに聞いて欲しかったのもまた事実であった。だが、夢五郎も所詮は男である。果たして、泉水の言い分や気持ちがどれほど伝わり、理解して貰えるかは判らない。
 良人である榊原泰雅の名前は伏せ、御家人の妻であると名乗った上で、後はこれまでの事情を殆ど包み隠さず打ち明けた。
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