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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第35章 《巻の弐―再会―》
 夢五郎との思わぬ再会があった数日後の朝。
 泉水は光照と共に本堂で朝の読経を捧げていた。光照の澄んだ朗々とした声が狭い堂内に響き渡る。泉水もまた憶えたての拙い経を懸命に読んだ。二人の経が唱和し、美しい独特の調べとなってゆく。
 その合間に、光照が打つ鐘の音が朝のしじまに響き、消えていった。まるで経そのものが一つの音楽のようでもある。
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