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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第4章 《参の巻―囚われた蝶―》
「昨日の昼間、言ったことは嘘じゃない。自分の身も顧みず、赤の他人のために危険に飛び込んでゆける泉水に惚れた。そなたのような女を俺は初めて見たんだ。この女なら、自分の生涯を賭けてみても良いと思える女に初めてめぐり逢った。初めて逢った日、たとえどんな手段を使っても、手に入れたいと思った。側に置いて、共に人生を過ごしてゆきたいと本気で考えたんだ。―まさか、それが自分の妻だとは愚かにも知らずに、どこの家中の娘か、どうすればもう一度逢えるかと真剣に悩んでいたのさ」