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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第4章 《参の巻―囚われた蝶―》
初めて逢ったときから、いささかお喋りな男という印象があったのだが、今日の泰雅は慎重に言葉を選びながら話しているのが伝わってきた。
これ以上、泉水の心を傷つけまいと泰雅なりに気遣っているのだろう。
「それでも、泉水は俺の許には戻れないというのか? 俺を許してはくれねえのか」
泉水の眼に熱いものが溢れた。
泉水だって、初めて出逢ったその瞬間から、泰雅に惹かれたのだ。良人だと知らずに、強く惹かれ、恋に落ちた。