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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第36章 《巻の参―杏子の樹の傍で―》
 むろん、簪や笄を買うつもりも、そんな気にもなれなかった。時橋の中には半年前にゆく方を絶ったままの泉水のことしかなかった。
 ところが、である。その若い小間物屋が時橋の方をじいっと見つめていたのだ。勝手口に荷をひろげ、眼にもあやな色とりどりの簪や櫛、笄が並べられていた。その前で若い腰元たちが歓声を上げ、頬を上気させて品々に魅入っている。その女たちに向かい、いかにも愛想の良い声で応対しながらも、男は眼だけははるか後方の時橋に向けていた。
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