この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第39章 《巻の弐―黒い影―》
その傍ら、庭を見渡せる廊下では伊左久が黎次郎を構ってやっている姿が見られた。生後九ヶ月を迎え、這うのも上手になってきた黎次郎は数日前からつかまり立ちを始めた。一人で立つことはできないが、両手を持って支えてやれば、ちゃんともう立つことができる。
「おい、こっちだ、こっちだぞ。黎次郎」
両手をひろげる伊左久向かって、黎次郎は懸命に這ってゆく。手許までやってきた黎次郎を抱き上げ、高い高いと持ち上げるてやると、黎次郎がキャッキャツと歓声を上げる。
「おい、こっちだ、こっちだぞ。黎次郎」
両手をひろげる伊左久向かって、黎次郎は懸命に這ってゆく。手許までやってきた黎次郎を抱き上げ、高い高いと持ち上げるてやると、黎次郎がキャッキャツと歓声を上げる。