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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第39章 《巻の弐―黒い影―》
「どうか、黎次郎のこと、くれぐれもお願い申し上げまする」
 泉水もまた深く頭を下げた。
 そのわずか一刻後、黎次郎は脇坂倉之助に抱かれて、山を下っていった。泉水は時橋と共に山門まで旅立つ我が子を見送った。
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