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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第40章 《巻の参―出家―》
《巻の参―出家―》

 黎次郎がいなくなってから、山の寺は随分と静かになった。朗らかな泉水が沈み込んでいることが多くなり、夜などは余計に侘びしさが増す。夜、早々と床に潜り込んだ泉水の耳に梟の啼き声がいかにも淋しげに響く。そんな夜は、大抵、枕に顔を押しつけて一人でこっそりと泣いた。
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