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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第40章 《巻の参―出家―》
「ありがとうございます」
 時橋と泉水が声を揃え、頭を低くする。
 その直後、泉水が弾かれたように顔を上げた。
「庵主さま、お願いがございます」
「はて、そのように思い詰めた顔をして、一体、何事ですか?」
 光照がやわからな微笑を湛え、こちらを見つめている。泉水は両手をつかえ、真っすぐに光照を見上げた。
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