この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第41章 《巻の四―岐路(みち)―》
もう、離せない、離さない。
二度と、この女を離したりするものか。
自分がこの女に逢えなかった四年間、一体、どうやって過ごしていたのかすら忘れていた。泉水なしで毎日を過ごしていたことが、今更ながらに信じられなかった。
いや―、この女と離れて暮らした日々は、泰雅にとっては到底生きているとは言えぬものであった。まるで自分を取り巻くすべての世界が色を失ったような、白と黒だけで塗り込められた灰色の世界に生きていたような気がする。
二度と、この女を離したりするものか。
自分がこの女に逢えなかった四年間、一体、どうやって過ごしていたのかすら忘れていた。泉水なしで毎日を過ごしていたことが、今更ながらに信じられなかった。
いや―、この女と離れて暮らした日々は、泰雅にとっては到底生きているとは言えぬものであった。まるで自分を取り巻くすべての世界が色を失ったような、白と黒だけで塗り込められた灰色の世界に生きていたような気がする。