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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第41章 《巻の四―岐路(みち)―》
 祈るように両手を握りしめ、一度眼を閉じ―泉水はゆっくりと顔を上げた。
「庵主さま、私が江戸に参ります」
 真っすぐに光照を見据えて告げる。
 刹那、光照の眼が見開かれた。
「何を言うのです。馬鹿なことを考えるのはお止しなさい。この度のことを振り返るにつけ、榊原さまから逃げてきたという蓮照の気持ちがよう判りました。まともに物事を考えられるお方であらば、このようなことはまずなさらないでしょう」
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