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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第41章 《巻の四―岐路(みち)―》
泉水が大人しく意に従えば、泰雅とて寺を潰すような無体はしないだろう。もう、自分のために誰も苦しめたくはない。母とも慕った時橋は、泉水が世捨て人となったことに罪の意識を感じ死んだ。あの時、泉水が時橋の心にもう少し気をつけていれば、時橋を死なせずに済んだかもしれないのだ。
時橋亡き今、光照は、たった一人の心の拠り所であり、大切な人であった。大切な人を全力で守りたい。哀しませたくない。そのためには、自分が泰雅の望むように江戸に赴くしかないのだ。
時橋亡き今、光照は、たった一人の心の拠り所であり、大切な人であった。大切な人を全力で守りたい。哀しませたくない。そのためには、自分が泰雅の望むように江戸に赴くしかないのだ。