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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第43章 《巻の壱―花惑い―》
《巻の壱―花惑い―》
ゆるりと視線を巡らせると、空の蒼さが眼に滲みた。どこまでも際限なく続く蒼穹を眺めていると、刻(とき)の経つのさえ忘れてしまう。この涯(はて)なき空は、どこまで続いているのだろうか。かつて五年という年月を過ごした山の上の尼寺まで、この空は続いているのかと思えば、懐かしさが胸に押し寄せ、溢れてくる。
山頂の庵より更に高く高く、空のはるか彼方には御仏のおわず極楽浄土があるに相違ない。そこにゆけば、時橋にも逢えるだろうか。
ゆるりと視線を巡らせると、空の蒼さが眼に滲みた。どこまでも際限なく続く蒼穹を眺めていると、刻(とき)の経つのさえ忘れてしまう。この涯(はて)なき空は、どこまで続いているのだろうか。かつて五年という年月を過ごした山の上の尼寺まで、この空は続いているのかと思えば、懐かしさが胸に押し寄せ、溢れてくる。
山頂の庵より更に高く高く、空のはるか彼方には御仏のおわず極楽浄土があるに相違ない。そこにゆけば、時橋にも逢えるだろうか。