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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
「お判りになられませぬか? 私が申し上げたいのは、たとえ私がこのお屋敷にいようとも、尼であることには変わりなきゆえ、今後は一切お相手はできないと―、そのように申し上げているのでございます」
「先ほどの自由というのは、そのような意味なのか」
「さようにございます。この身は榊原のお殿さまの囚われ人、そのことは心得てはおりますれど、その上で屋敷内ではいかに過ごそうと私の勝手であるとお認め頂きたいのです」