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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
泉水は真っすぐに泰雅を見据えた。
その強い視線に、泰雅は刹那、たじろぐ。
「馬鹿な、そのような言い分が通るはずもなきことは、そなたも判っておろう」
泰雅は咄嗟に体勢を立て直し、負けじと泉水を睨みつけた。
泉水は泰雅のそんな態度にいささかも臆する風もない。背筋を伸ばして座り、強いまなざしを泰雅に向けていた。
「もし、殿があくまでも私に指一本でも触れようとなさるのであれば、私は今ここで、舌を噛み切って果てまする」