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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
しかし、泰雅はこちらを滅多に使うことはなく、殆ど妻の寝室を直接訪ねている。本来、当主が使うはずの寝所は殆ど使うことはなく過ぎていた。
その夜、泉水は数人の奥女中に囲まれ、寝所までの長い廊下を辿った。白い寝衣に緋色の帯を前に結んで長く垂らしたは浄らかでいながら、何ともあだめいている。先導するのは老女の河嶋、その後を若い腰元が雪洞を手に捧げ持ち、泉水の足許を照らす。更に泉水の背後を固めるように二人の腰元が付き従った。
その夜、泉水は数人の奥女中に囲まれ、寝所までの長い廊下を辿った。白い寝衣に緋色の帯を前に結んで長く垂らしたは浄らかでいながら、何ともあだめいている。先導するのは老女の河嶋、その後を若い腰元が雪洞を手に捧げ持ち、泉水の足許を照らす。更に泉水の背後を固めるように二人の腰元が付き従った。