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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
「どうした、先日は随分と威勢が良かったが、今宵は元気がないぞ」
 揶揄するような言葉が降ってくる。だが、昔とは違い、その口調にはどこか険がある。
 まるで泉水を嘲笑うかのようだ。
「この辺でつまらぬ意地の張り合いは止めて、互いに素直にならぬか、ん?」
 泰雅の声が近付いてくる。
「それとも、怖うて俺の貌がまともに見られぬとでも?」
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