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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
不意打ちを食らった形で、内心の動揺と怯えは隠せない。泰雅に怯えた様を見せてはならぬと懸命に平気なふりを装っていても、恐怖がひたひたと押し寄せ、ともすれば身体が震えそうになってしまう。
今、泉水は武器も何も持ってはいない。時橋の形見の懐剣も今夜は居室に置いたままだ。そんな無防備な状態で泰雅と寝所に二人きり、力尽くで襲いかかってこられたら、泉水は容易く組み敷かれてしまうだろう。そうなれば、この男の思う壺である。またしても、男の好きなように弄ばれ、辱められる。
今、泉水は武器も何も持ってはいない。時橋の形見の懐剣も今夜は居室に置いたままだ。そんな無防備な状態で泰雅と寝所に二人きり、力尽くで襲いかかってこられたら、泉水は容易く組み敷かれてしまうだろう。そうなれば、この男の思う壺である。またしても、男の好きなように弄ばれ、辱められる。