この作品は18歳未満閲覧禁止です
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
「ならば、こういうのは、どうだ? 酒を断つ代わりに、そちが酒代わりになってくれ」
「それは―、いかなることにございましょう?」
泉水が問うと、泰雅は嗤う。
「知れたことよ。俺が何故、酒を呑むか、そちには判らぬのか? そなたさえ素直に俺の意に従えば、俺は酒なぞ呑む必要はないのだ。そちさえ俺のものになれば、俺は酒で憂さを紛らわせる必要もない」
「殿がご酒を止められる代わりに、私に思いどおりになれ、と―?」