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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第45章 《巻の参―変化(へんげ)―》
美倻はそれから仕入れてきた情報を語ってくれた。泰雅が手を付けた娘の名は千紗(ちさ)という。話は今朝のことになるが、泰雅が千紗に眼を止めたのは、ほんの偶然であったという。
泰雅が数日前、軽い腹痛を訴えたため、侍医が急遽、呼ばれたのだが、診察の際、河嶋が心配して付き添った。その時、河嶋に付き従っていたのが部屋子(腰元見習い)だった千紗であった。千紗は日本橋の大店美濃屋の娘で、自ら御殿奉公がしたいと望んできた娘である。
泰雅が数日前、軽い腹痛を訴えたため、侍医が急遽、呼ばれたのだが、診察の際、河嶋が心配して付き添った。その時、河嶋に付き従っていたのが部屋子(腰元見習い)だった千紗であった。千紗は日本橋の大店美濃屋の娘で、自ら御殿奉公がしたいと望んできた娘である。