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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第45章 《巻の参―変化(へんげ)―》
「は、黎次郎君におかれましては、最近は乗馬にご関心をお持ちのようにございます」
黎次郎のことを話すときの脇坂は、まるで実の孫の話をするようだ。相好を崩し、我が事のように自慢げに話す脇坂を見ながら、つくづくこの男に黎次郎を任せて良かったと思う。
「さりながら、黎次郎はまだ、たったの四つ。いかに何でも馬に乗るのは早かろう」
思ったままを口にすると、脇坂は〝とんでもない〟と言いたげな表情で大仰に首を振る。