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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
 泉水は涙をぬぐうと、淋しげに微笑んだ。
「泰雅さまほどのお方が私のような“じゃじゃ馬”と異名を取るような女に本気のはずがないとは思うておった。殿は私のような女子が物珍しかっただけであろう。いつか飽きて、このように別の女の許にゆかれるのだと覚悟はしていたはずなのに」
「そのようなことを仰せになるものではござりませぬ。殿に他し女子がいるなぞと、まだ決まったわけではございませぬのに」
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