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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
 もう、何がどうなっても良いとさえ思っていた。泉水は暗澹とした想いで暗い川面を見つめる。次第に暗くなってゆく空の色を映し、川は淀んで見えた。いつもなら茜色から淡い菫色、群青色、刻々と様々な色に染め変わる空を眺めるのが何よりの愉しみであったけれど、今日だけは流石にそんな気分にはなれない。
 脇坂倉之助が落胆して帰っていった後、泉水はしばらく放心したように、その場に座っていた。
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