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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
《巻の四―儚い恋―》

 夕風がひんやりと頬を撫でて通り過ぎる。
 昼間ははや夏を思わせる陽気で、少し動いただけで汗ばむほどだが、流石に黄昏刻ともなると、風もひんやりしてくる。殊に川のほとりにこうして佇んでいれば、川面を渡る風の冷たさが滲みた。
 いや、幾ら何でも冬ではあるまいし、川風が身に滲みるはずはない。心に、滲みるのだ。
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