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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
 別に監視の者がいたわけではなく、控えの間にいつも詰めている腰元には、厠にゆくと告げて部屋を出たのだ。今では唯一の腹心となっている腰元美倻にだけは、何も告げずに出てゆくことを心で詫びた。まさか泰雅も泉水が五年前のように塀を乗り越えて脱出するとまでは想像もしなかったに相違ない。
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