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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
 飛び去ろうとする美しき蝶を求め、手を差し伸べる。刹那、川から誰かが呼ぶ声が聞こえてきた。
―おいで、おいで。ここに来れば、お前は楽になれる。もう、苦しむことはない。さあ、おいで。私と一緒にゆこう。
 蝶が水面の上すれすれに飛ぶ。
―待って、私を一人にしないで。
 あの水底(みなそこ)には、時橋がいるだろうか。
 ね、時橋、もう少しだけ待っていて。私もすぐに逝くから。
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