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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
兵庫之助は泉水の父である勘定奉行槙野源太夫の配下勘定吟味役秋月隼人(はやと)正(しよう)の四男であった。当時、旗本の家に男子として生まれながらも、跡取りの嫡男ではないというだけの理由で一生冷や飯食いの飼い殺しで終わる者は多かった。
運良く婿入りの話でもあれば良いが、さもなければ、出世どころか、埋もれたままの身で終わるのが定めである。兵庫之助はそんな不遇をかこつ同じ次男坊、三男坊たちと共に徒党を組み、旗本奴となっていた。
運良く婿入りの話でもあれば良いが、さもなければ、出世どころか、埋もれたままの身で終わるのが定めである。兵庫之助はそんな不遇をかこつ同じ次男坊、三男坊たちと共に徒党を組み、旗本奴となっていた。