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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
兵庫之助はその末っ子で、長男の知矩(とものり)は早くから父隼人正と共にお役目に就いていた。隼人正は源太夫にとって有能な部下であり、嫡男の知矩もまた父に似て若い頃から俊敏さでは知られていた。
「だがな、頭は良くねえが、これでなかなかマメなんだぜ? 掃除洗濯、飯作りと何でもございだ。下手な女よりは、よほど料理なんぞはいけるんだ。―もっとも、普段から飯をこしらえてくれる嫁さんがいねえからな。つまりは、それだけ一人暮らしが長えってことになるが」
「だがな、頭は良くねえが、これでなかなかマメなんだぜ? 掃除洗濯、飯作りと何でもございだ。下手な女よりは、よほど料理なんぞはいけるんだ。―もっとも、普段から飯をこしらえてくれる嫁さんがいねえからな。つまりは、それだけ一人暮らしが長えってことになるが」