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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
泉水が改めて手をつくと、兵庫之助は笑った。先刻までの彼とは別人のような、穏やかな包み込むような笑みだ。
「別に泉水が謝る必要はねえだろう。何も好きこのんで、そんな風に生まれついたわけでもなし、それは仕方のねえことだ。お前を責めても、どうにかなるものでもねえ。いや、それどころか、不幸な生まれのせいで、いちばん辛かったのは、泉水だろ。なかなか言えねえような話をよく話してくれたな」
その言葉が心に溶け、傷ついた心を優しく潤してくれる。
「別に泉水が謝る必要はねえだろう。何も好きこのんで、そんな風に生まれついたわけでもなし、それは仕方のねえことだ。お前を責めても、どうにかなるものでもねえ。いや、それどころか、不幸な生まれのせいで、いちばん辛かったのは、泉水だろ。なかなか言えねえような話をよく話してくれたな」
その言葉が心に溶け、傷ついた心を優しく潤してくれる。