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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
 泰雅の顔が見たかった。あんな男に泉水はどうしようもないほどに惚れている。泉水は淋しさと絶望のどん底にいた。泣いている中に、いつしか眠りに落ちたらしい。
 襖一枚隔てた向こう側では、時橋が一睡もせずに泉水の様子を見守っていた。そのことを泉水は知らない。
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