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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第48章 《巻の壱―涙―》
「ん、何だ? そんなところに立ってちゃア、暑いだろう。早く家に戻りなさい」
 陽に灼けた精悍で、なおかつ端整な面立ちと六尺豊かな逞しい身体つき、腰帯に刀を差し、分厚い胸を張って佇む姿には威風さえ漂わせている。
 長身だと云われていた泰雅より、更に頭半分、身の丈のある兵庫之助であった。小柄な泉水が隣に並べば、それこそ見上げるような、天を振り仰ぐような恰好になってしまう。
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