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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第48章 《巻の壱―涙―》
 その言い方に引っかかるものを感じ、泉水は彼が顎で指し示した方を何げなく見やった。
 刹那、刻が止まった。
 路傍に無造作に戸板が置かれている。戸板に乗せられているのは言われずとも、人間であろうことは判った。恐らくは骸(むくろ)であろう―、その上に筵が載せられている。
「これは」
 泉水は嫌々をするように首を振った。
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