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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第48章 《巻の壱―涙―》
「仏さんが事切れてもまだ、握りしめてましたよ。相当の思い入れがあったんだろうって、八丁堀の旦那とも話してたんですがね」
 勘七は丁重な手つきで小さな守袋を泉水に返してよこした。
 それは、近くの小さな稲荷社に詣でて貰ってきたものだった。浅葱色の地に、この稲荷社の社紋である丸に桔梗の柄が織り出されている。
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