この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第48章 《巻の壱―涙―》
「いや、こいつは、あっしの言い方が悪うござんした。あっしは何も旦那が恨まれるほどのことをしたと言ってるわけじゃありやせん。ただ、その線からも下手人を探る手がかりは色々とあるんじゃねえかと、こう読んだわけで。むろん、その他のことも調べました。旗本奴であったから、その昔の怨恨絡みかと思ったが、その頃にやったことは確かに町の衆が多大な迷惑を蒙ってはいるものの、強請りたかりの、言ってみりゃア、若気の至りでしでかしたと笑って済ませられるようなことばかりでした。