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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
 その時、茂みの向こうから呼び声がきこえてきた。
「若君さま、黎次郎君ーッ、いずこにおわしますか」
 呼び声に愕いたように、蜻蛉が舞い上がった。
「あッ、蜻蛉が」
 黎次郎が泣きそうな顔で叫んだが、蜻蛉はひらひらと羽根を動かし、直に茂みの向こうに消えた。
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