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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
 愛らしい声で念を押し、黎次郎は今度はもう振り返らずに茂みの向こうへと走り去っていった。
「行ってしまった―」
 黎次郎の姿が見えなくなった後、泉水は気が抜けたように、その場にくずおれた。
「もう少し頻繁にお逢いになられればよろしいのではございませぬか」
 後ろから美倻が控えめに言う。
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