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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
そういえば、五ヶ月前にもこれと似たようなことがあった。やはり、泰雅が泉水の寝所を訪れた夜だった。あの夜は、結局膚を合わせることなく、泉水は泰雅を拒み通したけれど、泉水は一人、寝所を出て廊下に逃れた。
あの夜も蒼い不思議な蝶が現れ、泉水を導くように眼前を飛んだ。そして、その時、蝶が出現したのもこの場所―奥女中が入水して果てたといういわくのある池の前であった。
「兵庫之助さまが私をお守り下さったのですね」
泉水は改めてそう思う。
あの夜も蒼い不思議な蝶が現れ、泉水を導くように眼前を飛んだ。そして、その時、蝶が出現したのもこの場所―奥女中が入水して果てたといういわくのある池の前であった。
「兵庫之助さまが私をお守り下さったのですね」
泉水は改めてそう思う。