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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第51章 《巻の四―花の別れ―》
 問い返す泉水に、泰雅は何かを思うような表情でふっと黙り込む。
「そなたがいなくなる夢だ。手を伸ばせば触れられるほど近くにいるのに、俺が幾ら呼んでも叫んでも、泉水は振り向きもせずに去ってゆく。段々そなたが遠くなって、俺は一人になって取り残されてしまう―、そんな夢だった」
 言葉を失った泉水を見、泰雅が笑った。
「済まぬ。聞きたくない話を聞かせてしまった」
「いいえ」
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