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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第51章 《巻の四―花の別れ―》
山の庵にいた頃、師光照から聞いたことがある。人はこの世にある限り、肉体は消滅しても、魂は残り、再び輪廻の輪をめぐり、この現世に蘇ってくるのだと。そして、人の営みは脈々と続いてゆく。生まれては死に、また生まれて死ぬ。その短い一生の間に、多くの人とめぐり逢い、愛し憎んで、別れてゆく。
「山の庵におりました頃、庵主さまよりお聞きしたことがございました。人の生は一つの大きな輪のように、けして途切れることはなく続いてゆくのだそうです」
「山の庵におりました頃、庵主さまよりお聞きしたことがございました。人の生は一つの大きな輪のように、けして途切れることはなく続いてゆくのだそうです」