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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第51章 《巻の四―花の別れ―》
「泉水、俺はこの頃、おかしいのだ。以前は死ぬことも少しは怖くなかった。むしろ、死ねば、苦しい恋に懊悩することもなく、すべてが終わると思っていた。だが、今、俺は死ぬのが怖くなっている。そなたが手に入らぬならば、いっそ死を望もうかとすら考えた俺が死にたくないと思うようになった。未練だ、醜い執着だと思うが、この想いはどうにもならぬ。泉水、俺はやはり死ぬのか?」
泰雅の眼が濡れている。
泉水は胸を衝かれたような表情で早口に言った。
泰雅の眼が濡れている。
泉水は胸を衝かれたような表情で早口に言った。